劇場版『モノノ怪』2023年公開予定! 15周年記念企画が始動! その前に予習&復習しておこう
『モノノ怪(もののけ)』がテレビアニメ放送されてから、15年という長い月日が流れました。15年経った現在でも根強い人気を誇るこの作品。実は今、十五周年記念企画が始動しています。
その中で、2023年に劇場版『モノノ径』公開予定との発表がありました。そこで映画公開前に『モノノ径』について詳細をまとめてみます。
見たことがない方は予習として、見たことがある方は復習として、一体どんな物語なのかをおさらいしましょう!
『モノノ怪』とは
ここでは『モノノ怪』について、作品概要及び物語のあらすじを紹介していきます。
※ 多少のネタバレを含んでいます。
作品概要
『モノノ怪』は、2007年7月から深夜系テレビアニメ番組として放送されました。ホラーアニメ作品であり、2006年に放送された『怪 ~ayakashi~』の中で描かれた3つのエピソードの最終章『化猫(ばけねこ)』の続編として登場します。
製作スタッフは『化猫』編を製作したスタッフとほぼ同じ。監督を中村 健治(なかむら けんじ)が担当し、単独での初監督作品となりました。アニメーション製作は東映アニメーション、キャラクターデザインを橋本 敬史(はしもと たかし)が担当しています。
15周年を迎えるに当たり、応援し続けてくれたファンと共に劇場版『モノノ怪』を盛り上げることを目的としたプロジェクトの1つとして、クラウドファンディングが行われました。目標金額1千万円に対して、達成率はなんと598%。作品の人気ぶりが伺えます。
前作の『怪 ~ayakashi~』は全11話で構成されており、9話から11話が最終章『化猫』編でした。
続編となる『モノノ怪』は全12話で構成されており、
「座敷童子(ざしきわらし)」
「海坊主(うみぼうず)」
「のっぺらぼう」
「鵺(ぬえ)」
「化猫(ばけねこ)」
の5つのエピソードで物語が進行していきます。
本作は、アニメーションの作画に於いても美術的評価が非常に高い作品です。和紙の質感をテクスチャ―として取り入れるなど、和風をベースにした色彩の美しさと独特の世界観が特徴的です。
また、エピソードごとに描画されるテーマに変化があり「浮世絵」「クリムト風作画」「屏風絵」「水墨画」「大正モダン」「パブロ・ピカソ作ゲルニカ風」など、種々様々に表現されています。
アニメーションにおいても2D感が強調されており、紙芝居のような描写が独特な世界観をより一層盛り上げています。
見どころ満載のアニメ『モノノ怪』。1度見たら癖になる世界観を、まずは下記のPVで感じてみて下さい。
物語あらすじ
古(いにしえ)より人の情念や怨念に妖(あやかし)が取りついたとき、モノノ怪と成りて人に災いをもたらすと言われています。
モノノ怪を斬ることができるものはこの世の中でただひとつ。「退魔の剣」と呼ばれる武具のみ。この剣を携え諸国を巡り、モノノ怪を斬る「薬売りの男」がいました。人の心を救いながら、この男の旅は続きます。
これから語られるのは「座敷童子」「海坊主」「のっぺらぼう」「鵺」「化猫」この5つのモノノ怪が登場する物語。モノノ怪と登場人物との関わり……そこにはどんな真実が隠されているのか?薬売りの男を中心に物語は進行し、解き明かされていきます。
登場人物紹介
本作では、全てのエピソードにおいて登場するのは「薬売りの男」のみです。エピソードごとに登場人物や背景は変化していきます。
※ エピソード2幕の「海坊主」にて登場した娘・「加世」は前作『怪 ~ayakashi~』での最終章「化猫」でも登場し、今回のエピソードで再登場した唯一のキャラクターでした。
薬売りの男
本作の主人公ですが、本名や年齢・素性などは一切語られることはなく「ただの薬売り」として登場します。美しい顔立ちに隈取(くまどり)のようなメイクをし、長髪を束ねて頭にはバンダナのようなものを巻いています。
いつも大きな薬箱を持ち歩いていますが、その中には商売で売る薬やモノノ怪との霊的な距離を測ることができる天秤・退魔の剣などが入っています。
モノノ怪を斬ることができる唯一の武具「退魔の剣」を抜くには条件があり、「形(かたち)」「真(まこと)」「理(ことわり)」の3つが揃わなければなりません。
モノノ怪の「形」を成すのは人の因果と縁(えにし)、「真」とはことの有様、「理」とは心の有様……それらを知ることで剣を抜くことができるのです。
剣を抜くことで男は姿を変化させ、モノノ怪を切り裂きます。
妖(あやかし)
現世(うつしよ)に人やケモノや鳥がいるのと同じように、この世ならざるアヤカシもあまねく存在しています。
人が亡くなるとアヤカシになる、物・道具に魂が宿る、……など千差万別な理由が囁かれています。どのような筋(すじ)でアヤカシになったにしろ、アヤカシの道理は人には分かりません。
モノノ怪
モノノ怪の「怪」とは病(やまい)のこと、「モノ」とは荒ぶる神のこと。モノノ怪は、恨み・悲しみ・憎しみといった激しい人の情念がアヤカシと結びついて生まれる存在で、人のことを病のように祟(たた)ります。
モノノ怪になってしまうとアヤカシに効く封印の呪符などは一切効果がなくなってしまい、対抗できる力は薬売りの男が持つ「退魔の剣」のみとなります。
エピソードごとのあらすじ
「座敷童子」|第1話・第2話
舞台は雨が降る宿場町。
薬売りの男が、ある宿を訪れました。宿の女将(おかみ)と薬の商談をしていると、身重(みおも)の女性がひとり、宿を求めて訪れます。その女の名は「志乃(しの)」。何やら訳ありの様子……。
女将・「久代」は彼女の事情を聞いて、普段は人を泊めない部屋に渋々、志乃を通します。しかし、その部屋に志乃が入ると不思議な現象が……。
「海坊主」|第3話・第4話・第5話
舞台は江戸に向かう船の中。
大型商船「そらりす丸」に乗船するのは、船主の三國屋 多門(みくにや たもん)」と船長の「五浪丸(ごろうまる)」。修験者(しゅげんじゃ)と名乗る「柳 幻殃斉(やなぎ げんようさい)」と、奉公先を探しに江戸に向かうという娘「加世(かよ)」。
他にも塩谷藩藩士と名乗る「佐々木 兵衛(ささき ひょうえ)」と、高僧の「源慧(げんけい)」と弟子の「菖源(そうげん)」。そして薬売りの男の姿がありました。
順調に進んでいると思われた船旅ですが、誰かの手により羅針盤に細工をされ、船は「竜の三角」と呼ばれる妖(あやかし)の海へと迷い込んでしまいます。すると突然、船幽霊(ふなゆうれい)の姿が・・・。
「のっぺらぼう」|第6話・第7話
物語は牢獄の中から始まります。
牢獄の中にいる女・「お蝶」は、佐々木家一家(ささきけいっか)を惨殺した咎(とが)で、死罪を申しつけられていました。
そこに薬売りの男が現れ、お蝶が何をしたのか聞きます。「モノノ怪の仕業ではないのか?」と問いかけていると、煙と共に牢獄の外から男の声が……。
現れた男は、キツネの面を付けた怪しげな姿。彼はいったい何者なのか……?
「鵺」|第8話・第9話
舞台は、京の都のとある屋敷。
香(こう)は「嗅ぐ(かぐ)」とは言わず「聞く」と言います。人の楽しみには色々ありますが、香りを聞くということほど雅(みやび)なものはないと言われています。
香の道の様々な流派の1つ・笛小路流(ふえのこうじりゅう)を継承する笛小路家の瑠璃姫(るりひめ)の婿(むこ)に、4人の者が名乗りを上げました。
名乗りをあげたのは公家(くげ)の大澤 蘆房(おおさわ ろぼう)、廻船問屋(かいせんどんや)を営む半井 淡澄(なからい たんすい)、東侍(あずまざむらい)の室町 具慶(むろまち ともよし)と、実尊寺 惟勢(じっそんじ これなり)の4人。
しかし婿決めの場面に実尊寺は現れず、代わりに薬売りの男の姿がありました。この4人で聞香(もんこう)が行われることになるのですが……。
「化猫」|第10話・第11話・第12話
舞台は近代の日本。地下鉄の新路線開通式の場面から始まります。
多くの人々でにぎわう福寿駅。地下鉄開通の立て役者である市長・福田 寿太郎(ふくだ じゅたろう)が演説をしています。市長の横には、警護するべく随行している刑事・門脇 栄(かどわき さかえ)。
開通式の日は、当選した者だけがチケットを持ち地下鉄に乗れることになっています。人でごった返すホームには、あの薬売りの姿が。
他にも新聞社のデスク記者・森谷 清(もりや きよし)、駅前のカフェのウエイトレス・野本 チヨ、未亡人・山口 ハル、牛乳配達の少年・小林 正男(こばやし まさお)も電車に乗るために待っていました。
運転手・木下 文平(きのした ぶんぺい)は発車時刻を待ちます。時間となり、電車はホームのギャラリーから声援を送られて出発しました。順調に進む地下鉄電車でしたが、突然の急ブレーキにより急停車。そこから不思議な現象が起こります。いったい何が起こったのでしょうか……。
まとめ
「劇場版『モノノ怪』2023年公開予定! 15周年記念企画が始動! その前に『モノノ怪』を予習&復習しておこう」
ということで紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
15周年記念で再び解き放たれることが決定した『モノノ怪』の劇場版には期待が膨らむばかり。『モノノ怪』特有の世界観とアニメーションは、見るものをその世界へといざなってくれます。
今までこの作品を見たことがなかった人や知らなかった人には、この記事を読んで興味を持っていただけたのなら幸いです。ファンの方にとっても、作品を想い返すきっかけとなったのであれば大変嬉しく思います。
劇場公開される前に、いま一度『モノノ怪』を鑑賞してみてはいかがでしょうか?
これにて終幕とさせていただきます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
ライター:カルコレ編集部 呉東 和虎
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