2021年3月08日

アニメ『SSSS.GRIDMAN』（グリッドマン）を知っているか？監督・脚本から作品の魅力に迫る！

『SSSS.GRIDMAN』を知ってますか？
1993年～1994年に特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』。この作品を原作として2018年にアニメ化されたのが、『SSSS.GRIDMAN』です。そして2021年、『SSSS.GRIDMAN』の再放送が行われております。

今回は、主に作品の裏側・監督や脚本をメインに語っていきます！
『SSSS.GRIDMAN』を読み解くうえで、大切なキーワードは以下です。

・過去のグリッドマンを知らなくても楽しめる
・大人気アニメ『エヴァンゲリオン』の陰？

これを読めば、『SSSS.GRIDMAN』の楽しみが深まりますよ！

アニメ『SSSS.GRIDMAN』はこうして生まれた！『SSSS.GRIDMAN』誕生前夜

特撮ヒーローものからアニメへ。『SSSS.GRIDMAN』は異色の作品です。
いったいどのような経緯でアニメ化されたのでしょうか。
『SSSS.GRIDMAN』の監督である雨宮哲さんが、インタビューで語っていました。

“最初は円谷プロさんに「『ウルトラマン』をアニメ化できませんか？」というお話をさせてもらったんです。
そしたら「『ウルトラマン』はお貸しできないですが、ほかの作品で何かやりましょうか」とお返事をいただきまして。
その頃ちょうど「日本アニメ（ーター）見本市」で、僕が1本担当することになったんですね。
そこで円谷プロさんにご相談したら、「電光超人グリッドマン」か「アンドロメロス」なら許可がいただけるということだったので、じゃあ「グリッドマン」でお願いします、と。”
引用元：コミックナタリー雨宮哲、長谷川圭一インタビュー

実は2018年に公開された『SSSS.GRIDMAN』は、以下のような経緯をたどっています。

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1993年～1994年　特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』
2015年　『電光超人グリッドマン boys invent great hero』（日本アニメ（ーター）見本市）
2018年　『SSSS.GRIDMAN』（アニメ化）
2021年　『SSSS.GRIDMAN』（アニメ再放送）
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『SSSS.GRIDMAN』としてアニメ化される前に、日本アニメ（ーター）見本市という場で短編として公開されています。
日本アニメ（ーター）見本市とは、「個人のアニメーターが何をできるか、というコンセプトの企画」と雨宮さんはインタビューで話しています。

そしてこの作品が、後に『SSSS.GRIDMAN』につながっていった、とも話しています。

「特撮→アニメ」というの異色作『SSSS.GRIDMAN』とエヴァ世代の雨宮監督

アニメが好きな人はもちろん、そうでない人も名前は聞いたことがあるであろう『エヴァンゲリオン』。
1995年にアニメ化され、2021年現在も映画作品が公開されているという、超人気アニメです。
『SSSS.GRIDMAN』の監督である雨宮さんは、ガッツリ『エヴァ世代』で、その影響を受けているそうです。

“『エヴァ』ブームの直後に「ポストエヴァ」を探るような時代があって、エヴァの影響を受けたアニメがたくさん作られた時期があったんですね。でも、その頃の僕はまだ学生でアニメの仕事をしていなかったので、今さらですけど「ポストエヴァレースに参加したい！」という強い想いがありました。（中略）今回は前半部分だけを意識して作ったんです。僕は個人的に後半が大好きなんですけど、『エヴァ』は前半部分があってこその公判だと思いますし、そういうものを意識していました。”
引用元：TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』特集 vol. 4

『エヴァンゲリオン』は2021年も映画化されますし、『SSSS.GRIDMAN』がエヴァ人気に割って入ることがあるかもしれませんね！

「知っている人しか楽しめないアニメにはしたくない」脚本家・長谷川圭一

ここまでは『SSSS.GRIDMAN』の監督の雨宮さんの話をしてきました。
アニメ監督は作品の魅力を語るうえで欠かせませんが、同じくらい脚本も見逃せない要素です。
『SSSS.GRIDMAN』の脚本家は、長谷川圭一さんです。
どのような想いで『SSSS.GRIDMAN』を作っていったのでしょうか。

“「電光超人グリッドマン」がコンピュータウイルスとか電脳世界を扱っていたってことは知っていたので、自分が関わっていたアニメの「ロックマンエグゼ」みたいになるのかな、と思ったのを覚えています。ただ最初期の企画書を見せてもらったら、全然「電光超人グリッドマン」じゃなくて（笑）。もちろん「ロックマンエグゼ」でもないし、誤解を恐れずに言うと「エヴァンゲリオン」みたいな。壮大な謎に満ちたSFって感じで。（中略）長谷川　「知ってる人しか楽しめないような昔のリメイクにはしたくない」という意向は聞いてたんですが、「これは新しすぎるな」と思いましたね。でもそこから時間が割とあったので、いろんな意見をみんなで詰めていったんです。”
引用元：TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』特集 vol. 4

やはり『エヴァンゲリオン』は外せない要素なのでしょうか(笑)。
ここでのキーワードは、知っている人しか楽しめないアニメにはしたくない、という部分。

“特撮だったら、もちろん役者さんも大事なんですけど、変身前より変身後のほうがファンにとっては大事であることが多い気がするんです。
一方でアニメだと、よりキャラクターの関係性を掘り下げていくことが必要とされる。
あとはキャラクターデザインですね。アニメ誌に載っても不自然じゃないキャラクターデザイン、ビジュアルにしたくて。”
引用元：TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』特集 vol. 4

こういう想いから、アニメとしてのキャラクター個性・デザインが洗練されていったんですね！
こう考えると、『SSSS.GRIDMAN』にドンドン深みが出てきます。

『SSSS.GRIDMAN』の作画の魅力とは

ここまで『SSSS.GRIDMAN』の魅力や裏側、監督・脚本の想いを見てきました。
こうしてみると、「カッコいい」「面白い」だけじゃない作品の個性を感じることができますよね。

最後に、雨宮監督のインタビューで、作画について話していたので紹介します。

“「電柱をキャラやメカと同じように、わざと存在感が出るように描いています」とコメント。その理由について、特撮関係者に「特撮パートとドラマパートの地続き感はどうやって生まれるのか？」と聞いたときに「どちらのパートも同じ物を映しているからだ」と教わったからだという。そのため『SSSS.GRIDMAN』でもさまざまな場面で電柱や電線を描いている。背景と馴染ませるのは非常に大変だったが、監督は「描いた分の労力は上手く出ていると思います」と仕上がりに自信を見せた。”
引用元：「SSSS.GRIDMAN」“特撮愛”に溢れたアニメーションはいかに生まれたのか？スタッフがこだわりを解説

細部まで徹底的にこだわったアニメ『SSSS.GRIDMAN』。再放送が楽しみですね！