マッドハウス・MAPPAなどを設立! 丸山正雄(まるやま まさお)プロデューサーとは?

丸山 正雄(まるやま まさお)さんは、日本のアニメ界を代表する名プロデューサーです。

メディア露出が少ないため存在を知らないという人もいるかもしれませんが『サマーウォーズ』や『この世界の片隅に』など、多くの名作を手掛けています。

また、アニメ制作会社である「マッドハウス」や「MAPPA(マッパ)」の創設者と聞けば、多くのアニメファンはピンとくるのではないでしょうか?

この記事では、丸山正雄さんのプロフィールや経歴、代表作品などを詳しく紹介します。

 

丸山正雄(まるやま まさお)さんとは?

まずは、丸山正雄さんのプロフィールからチェックしていきましょう。

丸山正雄さんのプロフィール

生年月日: 1941年6月19日

出身地: 宮城県塩竈市(しおがまし)

最終学歴: 法政大学文学部


50年以上に渡って数多くの作品を世に送り出し、今なお現役で活躍されている丸山正雄さん。

企画・プロデュース能力の高さは折り紙付きで、2002年には第7回アニメーション神戸特別賞を、2003年には第23回藤本賞奨励賞を受賞しました。

2023年1月現在は、アニメプロデューサーとして活躍する傍ら、アニメ制作会社・MAPPA(マッパ)の代表取締役会長、スタジオM2(スタジオエムツー)の代表取締役社長も務めています。

 

丸山正雄さんは宮城県塩竈市出身

丸山正雄さんの出身地は宮城県塩竈市(しおがまし)。過去には、丸山正雄さんが製作総指揮を務めた作品『この世界の片隅で』の特別上映会が、宮城県塩竈市で開催されました。

また後継者育成にも力を注いでいる丸山さんは、MAPPAの地方スタジオを宮城県仙台市に開設

開設当初13名でスタートした宮城県のスタジオは着実に成長し、2023年現在は30名以上にまで拡充しています。

 

 

丸山正雄さんの経歴

ここからは、丸山正雄さんの経歴を解説します。

虫プロダクションからマッドハウスへ

やりたいことが見つからず、大学卒業直後はフリーターのような暮らしをしていた丸山正雄さん。

しかし知人の紹介で1965年、手塚治虫が創設した虫プロダクションに入社します。なお、このとき丸山さんは虫プロダクションの実態をよく理解しておらず、アニメの会社だとは知らなかったそうです。

1972年に虫プロダクションが経営危機に陥り、丸山さんは仕事仲間の出﨑統(でざき おさむ)さん、りんたろうさん、川尻善昭(かわじり よしあき)さんらと共に独立

新しいアニメ制作会社・マッドハウスを設立しました。なお、マッドハウスという社名は千葉県にあった「松戸ハウス」というお店の名前をもじって命名されたそうです。

その後、丸山正雄さんは数多くのアニメ作品で企画・プロデュースを担当し、1980年にはマッドハウスの代表取締役社長に就任します。

 

70歳にしてMAPPAを設立

2011年、自身が70歳になったことを節目にして、丸山正雄さんはマッドハウスを退職。しかし片渕須直(かたぶち すなお)監督作品『この世界の片隅に』をどうにかして世に出したいと思い、同年のうちに新たなアニメ制作会社・MAPPAを設立します。

『この世界の片隅に』は資金集めに苦戦し、公開できるかさえ見通しが立たない状況が長く続きましたが、結果として公開に漕ぎつけ興行収入27億円を突破するヒット作となりました。

なお、MAPPAの社名は「Maruyama Animation Produce Project Association」に由来しているそうです。

MAPPA立ち上げから2~3年経つと人材も育ち始め、丸山正雄さんはどんどん若いスタッフに現場を任せるように。

そして会社設立から5年が経った2016年、丸山さんは「年寄りではなく、これからは若い者がやるべきだ」と考え、MAPPA代表取締役社長の座を設立メンバーの大塚学(おおつか まなぶ)さんに譲り、自身は会長に退きました。

 

スタジオM2を設立

MAPPAの社長の座を譲り、第一線からも離れる気でいた丸山正雄さん。しかし「何かやりたい」「まだ作品を作りたい」という意欲が湧いたため、3度目のアニメ制作会社(スタジオM2)の設立を果たします。

丸山正雄さんは「大物企画を最低でもあと2本は実現させたい」と考えているものの、年齢が80歳を越えていることもあり「必ず実現できるかはわからない」とも思っているそう。そのため、もしも自分が倒れても若いプロデューサーたちに後を引き継いでもらえるよう、入念に準備を整えているといいます。

今後、丸山正雄さんがどのような企画を展開するのか、楽しみですね。

 

 

丸山正雄さんが担当した代表作品

ここでは、丸山正雄さんが制作に携わったアニメを簡単に紹介します。

『あしたのジョー』

1970年に放送されたアニメ『あしたのジョー』。

本作は、当時虫プロダクションに所属していた出崎さんと丸山正雄さんが原作漫画を気に入り「まずは、作っちゃおうぜ」という勢いのまま試作版を制作。

試作版がテレビプロデューサーの目にとまったことで正式な企画となり、最高視聴率29.2%を記録するヒットアニメになりました。

『あしたのジョー』の試作版は漫画のコマを拡大コピーして映像化した簡素なものでしたが、丸山さんらはそこで「いい絵さえあれば、動かなくても迫力は出るしストーリーも伝わる」と気づいたといいます。

 

『坂道のアポロン』

2012年に放送されたアニメ『坂道のアポロン』。

本作は、丸山正雄さんがクリエイティブプロデューサーとしてMAPPA設立後すぐに手掛けた作品で、社名が一気に認知されるきっかけとなりました。

本作の監督に渡辺信一郎(わたなべ しんいちろう)さんを抜擢したのも丸山さんで「この話を気に入ろうと気に入るまいと監督をやってくれ」「イヤとは言わせないよ」と半ば強引に迫ったといいます。

渡辺さんは原作ものの監督をやるのは初めてでしたが、薦められるままに原作漫画を読み「これは自分が監督をやるべき」だと思ったそうです。

 

『鬼平(おにへい)』

2017年に放送されたアニメ『鬼平(おにへい)』。本作は人気時代小説『鬼平犯科帳(おにへいはんかちょう)』をアニメ化したもので、丸山正雄さんがスタジオM2設立後すぐに手掛けた作品です。

シリーズ誕生50周年という大プロジェクトの一環でもあり、長身でスタイリッシュな現代風の主人公は大きな話題となりました。

「原作を損なうことなく、ただ原作をなぞるだけではない、アニメとしての魅力をどこまで出せるか勝負したい」と丸山さんが意気込んで手掛けた作品は、モダンでオシャレな雰囲気に仕上がっています。

 

 

丸山正雄さんの仕事術

これまで200本以上ものアニメを世に送り出してきた丸山正雄さん。ここからは、丸山さんの仕事術について解説します。

アニメ業界随一のプロデュース能力

丸山正雄さんのプロデュース能力は「アニメ業界随一」といわれるほど。『時をかける少女』『パプリカ』『ちはやふる』など、丸山正雄さんは手掛けた作品を軒並みヒットへ導いています。

この他に人の才能を見抜く能力にも長けており、アニメ『呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)』の監督・朴性厚(パク ソンフ)さんや、『ユーリ!!! on ICE(ユーリ オン アイス)』の監督・山本沙代(やまもと さよ)さんなども、丸山正雄さんに才能を見出された一人です。

 

「面白い」に対する幅広さ

メッセージ性のあるシリアスな作品からギャグテイストの強い作品まで、幅広いジャンルの作品を手掛けられるのが丸山正雄さんの強み。

丸山正雄さんは「真面目なものでもフザけたものでも、それぞれが面白ければいい」というシンプルな価値観を持っています。そのため、他社の作品や時代の傾向よりも自分の感性を大切にしているそうです。

結果的に、時には赤字を出したこともあったと言います。しかし、面白いと思いさえすれば前例のないジャンルにも果敢に挑戦していく丸山さんだからこそ、アニメファンも「次は何をやってくれるのだろう?」とワクワクするのでしょう。

 

魅力ある欠陥商品を作る

丸山正雄さんの口癖は「魅力ある欠陥商品を作りましょう」

「予算」「時間」「人」と、さまざまな制約がある中で制作されるアニメに完璧は存在しない……というのが丸山正雄さんの持論です。

もちろんお金をもらって仕事をしている以上、関係者は完璧な作品になるよう努力するものの、どうしても欠陥は生じるもの。それは仕方がないことだ、と丸山正雄さんは語っています。

ですが、作品にとって本当に大切なのは「欠陥の有無」ではなく「魅力」

丸山さんは「魅力さえ生み出せれば欠陥があっても視聴者に届く」と考えており、欠陥を恐れるのではなく「魅力があるかどうか」に重きを置いて作品作りすることを大切にしているそうです。

 

 

まとめ

有名アニメ制作会社のマッドハウス・MAPPA・スタジオM2の生みの親であり、敏腕アニメプロデューサーでもある、丸山正雄さんについて解説しました。

半世紀以上もの間アニメ業界を支え続け、今なお現役で活躍されています。いつまでも「面白い作品」に対する熱量が高く、エネルギッシュな丸山正雄さんの次回作が楽しみですね。

ライター:カルコレ通信編集部 ごとうゆき

 

<参考>
MADHOUSE
株式会社MAPPA
仙台から最先端のアニメ制作を|仙台市
「あしたのジョーは俺たちが生きた証し」アニメ生みの親が語る : 読売新聞オンライン
アニメ業界ウォッチング第24回:今年75歳、やぶれかぶれのアニメ人生! 丸山正雄インタビュー! - アキバ総研
「アニメ版牙狼は50年のアニメ人生で一番やりたかった作品」、丸山正雄さんインタビュー - GIGAZINE



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