『はたらく細胞』人気の秘密とは?ブラックとの違いや登場キャラクター、スピンオフ作品をご紹介
体の中を舞台に、擬人化した細胞たちが活躍する姿を描いた作品『はたらく細胞』。
コミックスはシリーズ累計700万部を突破、アニメ化や舞台化も果たし、子どもから大人まで楽しめる作品として高い人気を確立しました。
この記事では『はたらく細胞BLACK』との違いや、登場キャラクター、人気の秘密などから、作品の魅力に迫ります。
『はたらく細胞』とは?ブラックとどう違う?
『はたらく細胞』は、これまで合計3度のアニメ化を経験しています。
しかし、その中の1作品は『はたらく細胞BLACK』というタイトルになっており『はたらく細胞』と『はたらく細胞BLACK』は何が違うの?と疑問を持つ方も少なくありません。
この項目では2作品の概要や世界観を紹介するので、それぞれの特徴を把握しましょう!
『はたらく細胞』とは
『はたらく細胞』は『はたらく細胞BLACK』や、その他全てのスピンオフ作品の原型となった物語です。
本作は清水茜先生によって製作され、2015年から2021年まで「月刊少年シリウス」にて連載されました。
2018年7月、2021年1月の2度にわたってアニメ化され、日本赤十字社や厚生労働省などとのコラボ企画も多く展開されています。
「擬人化した細胞たちが体の中で働いている」というユニークな発想は、当時高校生だった先生の妹さんによるアイデア。
新人女性赤血球「AE3803」を中心に物語は進行し、優しくも強い細胞たちの日常を描いた作品です。
花粉症やインフルエンザ、すり傷など、よくある傷病事例が題材に取り上げられ、作品を楽しみながら私たちの体の基本が理解できます。
『はたらく細胞BLACK』とは
『はたらく細胞BLACK』は『はたらく細胞』の世界観を引き継いだスピンオフ作品です。
本作は原作・原田重光先生、作画・初嘉屋一生先生、監修・清水茜先生によって製作され、2018年から2021年まで「モーニング」にて連載されました。
2021年1月にはアニメ化され『はたらく細胞』よりも大人向けの作品として新たな人気を博します。
タイトルの『BLACK』は、ブラックな労働環境を意味しており、物語の舞台は不摂生な男性の体内。
新人男性赤血球「AA2153」を中心に物語は進行し、不規則な生活や飲酒喫煙、カフェインの過剰摂取が慢性化した体内で、細胞たちが過重労働を強いられるストーリーです。
胃潰瘍やうつ病、性病など『はたらく細胞』よりも重症な傷病事例が取り上げられ、作品を通して心身を労わることの大切さが学べます。
『はたらく細胞』に登場する主要キャラクター
異なる役割を持った個性豊かなキャラクターたちも『はたらく細胞』の魅力です。
ここからは、作品に登場するメインキャラクターを紹介します!
赤血球(せっけっきゅう)
体中に酸素を届け、二酸化炭素を肺に運搬する細胞です。
「お待たせしました! こちら本日分の酸素になります!」という元気な挨拶が特徴。
ヘモグロビンを含んでいるため赤い制服を着用し、ジャケットは赤の濃淡が異なるリバーシブル仕様になっています。
動脈通過時は明るい赤、静脈通過時は深い赤を表にし、通過する血管に応じて裏表を使い分けるのがルールです。
本編では主に、新人女性赤血球「AE3803」が登場。
血液循環のため体中を駆け巡る細胞ですが、方向音痴のためよく体内で迷子になっています。
白血球(はっけっきゅう)
白血球にもいくつか種類がありますが『はたらく細胞』に登場する白血球は「好中球(こうちゅうきゅう)」と呼ばれる細胞です。
体内に侵入したウイルスや細菌に立ち向かい駆除するのが役割で、敵とみなした相手は容赦なく惨殺します。
「さわやかにお別れしよう、ばいばい菌」というスローガンのもと、健康維持に努める体内のお巡りさん的存在です。
本編では主に、男性白血球「1146番」が登場。
迷子の赤血球に道案内をしてあげたり、血小板の仕事を手伝ったりと困っている人を放っておけない優しい性格をしています。
血小板(けっしょうばん)
外傷を受けた際、すばやく集合して傷口を塞ぐ細胞です。
傷口が発生すると自前のホイッスルを鳴らして周辺を交通整備し、血管修復工事を行います。
他の細胞よりもサイズが小さく可愛らしい子どもの姿をしているのが特徴で、血小板の母体となる巨核球(きょかくきゅう)を師匠と呼び尊敬しています。
本編では主に、作業のまとめ役を任されている「リーダーちゃん」が登場。
「あのねあのね」という可愛い口癖を多用しながら、他の血小板たちにテキパキと指示を飛ばします。
キラーT細胞(キラーティーさいぼう)
ヘルパーT細胞の指令を受けて出動し、感染細胞やがん細胞などを駆除する細胞です。
他の免疫細胞たちとは異なりあまり武器を使わないのが特徴で、素手によるパンチだけで敵を倒すことも珍しくありません。
もちろん、強いパンチをお見舞いするために日頃の鍛錬を重要視しており、筋骨隆々の武闘派集団のような出で立ちをしています。
本編では主に、キラーT細胞のリーダー格である「班長」が登場。
不器用ながらもひたむきな性格で、体内の健康のために尽力します。
マクロファージ
殺したウイルスや細菌から、抗原や免疫情報を見つけ出す細胞です。
柔らかな物腰と美しい見た目に似合わず、斬殺や撲殺など力技を駆使した戦術で外敵を倒します。
免疫細胞の中でも群を抜いたウイルス殺傷能力を持つことから、あのキラーT細胞でさえ「姐さん」と呼び一目置くほど。
また、血管の中では普段と違う装備で単球(たんきゅう)として活躍したり、赤血球や未熟胸腺細胞(みじゅくきょうせんさいぼう)を育成したりと、さまざまな顔を持つ細胞です。
『はたらく細胞』人気の秘密を考察!
『はたらく細胞』が多くの人を魅了する理由は何なのでしょうか?
ここからは、本作が人気を集める秘密を考察していきます!
体の仕組みを自然と理解できる
ケガをしたり、病気をしたりすることはあっても、そのとき体の中でどのようなことが起こっているかまでは、なかなか理解しにくいもの。
しかし『はたらく細胞』を見ることで、ウイルスや細菌に脅かされた体内をイメージしやすくなります。
些細な外傷でも体にとっては脅威になりかねないと知れば、健康意識も自ずと高まるでしょう。
また、細胞たちの役割を自然に覚えることができ、知識が身につく点も多くの人から指示される理由です。
戦う細胞たちのバトルがアツい
『はたらく細胞』には大きく分けて、各々の役割を全うする日常ターンと、外敵駆除のために奔走する戦闘ターンがあります。
ほっこりする日常シーンも欠かせませんが、手に汗握るバトルシーンは、細胞たちが持つ能力や仲間との絆が際立ち見ごたえバツグン!
戦闘を経験することで成長していく細胞たちの姿に、自然と励まされたり勇気をもらったりするでしょう。
また、細胞分裂のエラーで生まれてしまったがん細胞など、不幸な境遇にある敵も登場し、思わず考えさせられるバトルがあるところもポイントです。
細胞たちが可愛い&カッコいい
『はたらく細胞』は登場キャラクターが多く、自分好みのキャラが見つけやすいところも人気の理由です。
私たちの体の中には約37兆個もの細胞が存在するため、登場キャラクターが多いのは当然ですよね。
可愛いからカッコいいまで、個性豊かなキャラクターが揃っているので、ぜひお気に入りのキャラを探してみてください。
また、メインキャラクターは固定されているため、登場人物が多くても「これ誰だっけ?」となりにくく、話がスラスラ入ってくるところも特徴です。
『はたらく細胞』のスピンオフ作品を紹介
『はたらく細胞』は『はたらく細胞BLACK』以外にもさまざまなスピンオフ作品が展開されています。
最後は、清水茜先生が監修した全スピンオフ作品を紹介するので、自分の好みや年齢に合わせて作品を選んでみてください。
はたらく細菌
『はたらく細菌』は、女子高生の体内に生息する細菌を擬人化した作品です。
本作は吉田はるゆき先生よって製作され、2017年から2020年まで「なかよし」にて連載、2021年には続編である『はたらく細菌Neo』が掲載されました。
急な腹痛やニキビなど、細菌によってもたらされる「あるある」な体調変化を題材にしています。
はたらかない細胞
『はたらかない細胞』は、赤血球の前身である赤芽球(せきがきゅう)たちにスポットを当てた作品です。
本作は杉本萌先生によって製作され、2017年から「月刊少年シリウス」にて連載されています。
まるでニートのような暮らしを謳歌する、赤芽球5人組のゆるい日常は必見です。
はたらく細胞フレンド
『はたらく細胞フレンド』は、キラーT細胞の班長に焦点を当てた作品です。
本作は原作・黒野カンナ先生、作画・和泉みお先生によって製作され、2019年から2021年まで「別冊フレンド」にて連載されました。
いつでも強気で男らしい印象があるキラーT班長ですが、本作では彼のナイーブな一面や可愛らしい一面を見ることができ、キャラクターの新たな魅力を発見できます。
はたらく血小板ちゃん
『はたらく血小板ちゃん』は、タイトルの通り血小板たちの働きに注目した4コマ作品です。
本作は原作・柿原優子先生、作画・ヤス先生によって製作され、2019年から2021年まで「月刊少年シリウス」にて連載されました。
『はたらく細胞』に登場する血小板ちゃんと同じという設定なので、原作好きな方にもおすすめです。
はたらく細胞BABY
『はたらく細胞BABY』は、生まれたばかりの赤ん坊の体内を舞台にした作品です。
本作は福田泰宏先生によって製作され、2019年から2021年まで「モーニング」にて連載されました。
赤ん坊同様、生まれたての細胞たちは、体内で起こる初めての事象たちに戸惑いつつも一生懸命健康を守ります。
はたらく細胞LADY
『はたらく細胞LADY』は、生理や妊娠など、女性特有の事例にフィーチャーした作品です。
本作は原作・原田重光先生、作画・乙川灯先生によって製作され、2020年から2021年まで「月刊モーニング・ツー」にて連載されました。
連載終了分を「シーズン1」としていることから「シーズン2」があるとされ、続編にも期待が集まっています。
はたらく細胞WHITE
『はたらく細胞WHITE』は、白血球の後輩・桿状核球(かんじょうかくきゅう)の成長を描いた作品です。
本作は蟹江鉄史先生によって製作され、2020年から「月刊少年シリウス」にて連載されています。
『はたらく細胞』に登場する1146番と同僚たちがメインキャラクターとして登場し、先輩になった彼らの新たな一面が見られるでしょう。
まとめ
作品を楽しみながら、体や健康に関する知識も身につくのが『はたらく細胞』最大の魅力。
スピンオフ作品も多く展開され、好みや関心の高さから作品を選べるところもメリットですよね!
『はたらく細胞』の三期アニメ化や、他のスピンオフ作品のアニメ化を希望する声も多く、今後の動きにも注目です。
ライター:カルコレ編集部 ごとうゆき
参考
「はたらく細胞」 清水茜インタビュー - コミックナタリー 特集・インタビュー
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