神漫画『ファイアパンチ』とは?あらすじや登場人物、見どころを徹底紹介|作者は『チェンソーマン』『ルックバック』で話題の藤本タツキ先生

連載が終了してもなお「おもしろい!」「衝撃的!」と話題を集め続けているマンガ『ファイアパンチ』。

独特な世界観で進むストーリーは唯一無二で、2016年9月に開催された「このマンガがすごい!ランキング」ではオトコ編で見事1位に輝きました。

この記事ではダークヒーロー作品に新たな光を投じたマンガ『ファイアパンチ』の魅力を一挙解説!

あらすじや主要キャラクターはもちろん、制作秘話や見どころまでたっぷりお届けします。

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ファイアパンチとは?

『ファイアパンチ』とは、氷に閉ざされた貧しい世界の物語です。

まずは作品概要とあらすじをチェックしていきましょう!

 

ファイアパンチの作品概要

『ファイアパンチ』は、集英社が運営するWebコミック配信サイト・ジャンプ+(プラス)に掲載されていた漫画作品です。

連載時期は2016年4月18日から2018年1月1日までで、コミックスは全8巻で完結しています。

作者は『チェンソーマン』でも有名な藤本タツキ(ふじもとたつき)先生で『ファイアパンチ』は先生にとって初の連載作品でした。

ショッキングなのに引き込まれる物語はSNSを通じて大きな話題となり、第一話掲載直後からたちまちジャンプ+の人気作品となったのです。

 

ファイアパンチのあらすじ

物語の舞台は文明崩壊が起こった世界。

そこには「祝福者」と呼ばれる特殊能力を持つ人間が一定数いて、世界は「氷の魔女」と呼ばれる祝福者がもたらした大氷河期を迎えていました。

作物が一切育たない寒い世界は人々を飢餓に陥れ、心の余裕を奪います。

そんな中、主人公のアグニは自分の肉を食料として村人に分け与えながら、妹のルナと一緒に暮らしていました。

アグニとルナは身体再生能力を持つ祝福者であり、ルナよりも強い力を持つアグニは自らの腕を切り落として妹や村人を救っていたのです。

しかしある日、村で人肉を食べていることがベヘムドルグ王国の軍隊に知られ、カニバリズムを許容できない軍のリーダー・ドマが自身の祝福の力「焼け朽ちるまで消えない炎」を村に放ちました。

村人はもちろんアグニとルナも炎の餌食となりますが、祝福の力で再生し生き延びたアグニに対し、兄より力の弱いルナは「生きて」とアグニに言い残して息絶えます。

ルナの言葉を受けたアグニは死ぬまで消えない炎に苛まれながらも生にしがみつくことを決意し、村と妹を奪ったドマへ復讐するため旅に出ました。

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ファイアパンチの主要キャラクター

ギリギリの世界で生きる『ファイアパンチ』のキャラクターたちは個性が強く、誰もがクレイジーな一面を持っています。

ここからは、本作に登場する主要キャラクターを紹介しましょう。

 

アグニ

本作の主人公で再生の祝福者。

もともとは妹や村人想いの心優しい少年でしたが、妹を失って以降は復讐の障害となるなら殺人もいとわない冷酷な性格になりました。

ドマの「焼け朽ちるまで消えない炎」の力で、身体は焼失と再生を常に繰り返しています。

妹から託された「生きて」という言葉だけを糧にして生きていますが、心は今にも壊れそうで幻覚や幻聴に侵されることも。

 

ドマ

アグニの仇で炎の祝福者。

手のひらから出されるドマの炎は、対象者が死ぬまで消えることはありません。

冷酷な素振りを見せる一方で正常な倫理観や道徳心も残っており「人を殺すこと」に苦悩します。

 

トガタ

アグニと同じく再生の祝福者で、再生能力の高さにより死なないため現在は約300歳。

普段は下ネタを連発するお調子者ですが、実は男性の心を持つ女性であり自身の身体について激しい嫌悪感を抱いています。

また、大の映画好きでセリフの至るところにマニアックな映画ネタを投下することが特徴。

炎を纏うアグニに興味を持ち、アグニを主役にドキュメンタリー映画を撮ろうと決意します。

 

サン

アグニに命を救われた8歳の少年。

名前は「太陽」を意味し、世界を温かくするという願いが込められています。

微弱ながら電気を発することができる祝福者で、アグニのことを神様のように信仰し、ついには自らアグニ教を作りました。

しかし強すぎる信仰心は次第に狂信へと変わり、ねじ曲がった思考へと繋がっていきます。

ファイアパンチの作者は藤本タツキ先生

『ファイアパンチ』を描いているのは「天才」「鬼才」と評されることも多い漫画家の藤本タツキ先生。

幼いころからよく絵を描いていたという藤本先生は、2014年に読切マンガ『恋は盲目』がジャンプSQ.(スクエア)に掲載され漫画家デビューを果たします。

2021年7月19日には『ルックバック』という読切マンガをジャンプ+にて公開。

ツイッターのトレンドキーワード入りも果たしたこの長編読切作品は、2021年9月3日に単行本発売を予定しています。

2021年8月現在、連載中の作品はありませんが、先生の準備が整い次第ジャンプ+にて『チェンソーマン』の2部を連載予定です。

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また、藤本先生を紹介するうえで欠かせないのが「ながやま こはる」というツイッターアカウント。

昨今は多くの漫画家さんが自らの名前でツイッター発信をしていますが、先生はなぜか「藤本タツキの妹・ながやまこはる」というキャラクターになりすましてツイッターをしています。

幼さが残る文体で投稿されてはいるものの、内容は藤本先生のプライベートに迫る内容が多く、ファン必見のアカウントです。

 

Twitter:@nagayama_koharu

 

ファイアパンチは「アンパンマン」からヒントを得た!?

ファイアパンチは「売れるマンガが描きたい」と思った藤本先生が戦略的に描いた作品です。

執筆するにあたり戦略のヒントを得ようとした藤本先生は、ファンから長く愛され続けている『ドラえもん』『サザエさん』『アンパンマン』に注目しました。

中でも自分の顔を他者に食べさせるアンパンマンは、海外では奇抜なアニメとして扱われることもあると知り興味を持ったそうです。

アンパンマンを軸に物語を膨らませた結果、自分の肉を他者に食べさせる設定やタイトルにもなった『ファイアパンチ』というキーワードが浮かんだといいます。

また、アグニという名前はアンパンマンの頭文字から、ドマはドラえもん、サンはサザエさんからヒントを得て名付けられています。

ファイアパンチが神漫画といわれる理由は?見どころを紹介!

多くの作品を読んできた漫画好きほどハマるといわれる『ファイアパンチ』。

「神漫画」と評されることも多い『ファイアパンチ』の見どころとは一体何なのでしょうか?

この項目では3つのポイントに絞って解説します!

 

何でもありの混沌とした世界観

『ファイアパンチ』は人肉を食べる文化や奴隷制度、ほのかな近親相姦要素など、王道とは正反対の設定が多く盛り込まれています。

現代に生きる私たちの「常識」が全く通用しない世界の人々がリアルに描かれていて、その世界観がとても新鮮です。

『ファイアパンチ』を連載中、藤本先生は「“アンチ・ジャンプ”的なことをやりたいな」とインタビューで回答していたため、意図的に斬新な設定や世界観を盛り込んだのかもしれませんね。

 

手に汗握る熱いバトルシーン

連載開始当初はバトルシーンが控えめで、戦闘開始からいきなり戦闘後の話に飛ぶことも多かった『ファイアパンチ』。

ですが、話が進むにつれストーリーに重要な戦闘が増え、熱いバトルシーンが多く描かれるようになりました。

凡人にはない再生能力を持つ時点でアグニが負ける可能性はほとんどないのですが、キャラクターたちが想いや執念を胸に戦う姿は、読んでいて思わずハラハラします。

 

先が読めないストーリー展開

多くの漫画ファンから「神漫画」といわれる理由は、先が全く読めずジャンルがコロコロと変わるストーリー展開にあります。

ヒューマンドラマやバトルアクションがあるのはもちろん、ファンタジーやギャグ要素まで加わり、一言でジャンルを言い表すことはできません。

いきなりガラッとストーリーが変わる「超展開」は多くの読者を驚かせ、先読み不可能な面白さを提供してくれます。

普通の漫画に飽きた人こそファイアパンチがおすすめ

「よくある漫画は読み飽きた」「普通のマンガじゃ物足りない」という人にこそ読んでほしい『ファイアパンチ』の魅力を紹介しました。

1つのジャンルやテーマに限定せず、読み手の思い通りにならない本作はつい一気読みしたくなる面白さがあります。

ジャンプ+の公式サイトでは第一話を無料で読めるので、気になる方はぜひ読んでみてくださいね!

 

ライター:カルコレ編集部 ごとうゆき

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参考

ジャンプ+「ファイアパンチ」

Wikipedia「ファイアパンチ」

コミックナタリー「ファイアパンチ 藤本タツキインタビュー」

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