映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』考察②|実写版は完結? 作品の良さと原因を解説(ネタバレ有)

前回の記事(映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』考察①|灰谷兄弟など新キャスト紹介・あらすじ・原作との違い(ネタバレ有))に引き続き、劇場版東リベ『-決戦-』についての考察・感想をお届けします!

(※ 映画の結末ネタバレ・東リベ原作の結末への言及があるので注意)

INDEX

  • 「これで完結なのか?」という疑問に回答! 映画版が完結と考えられる3つの根拠
  • 本作のよかった点と、原因についての考察(ストーリー・映画全体)
  • 原作ファンによる実写映画の感想
  •  

    「これで完結なのか?」という疑問に回答! 映画版が完結と考えられる3つの根拠

    エンドロールで「えっ、これで終わりなの?」と思ったファンも多かったのではないでしょうか? 特に原作ファンからすると、少し戸惑ってしまう終わり方でしたよね。

    色々な状況から、本作で実写映画『東京リベンジャーズ』は完結したと言っていいでしょう。以下にその根拠を3つ示すので、よかったら参考にしてください。

    1. 映画公式が「完結」と言葉にしているから

    何より、公式ホームページやTwitter(X)公式アカウントに「完結」とあることが全てとも言えます。本作を映画版の完結作にするつもりだという強い意思を感じます。

    特に映画公式ページのNEWSの

    『2023.7.3 UPDATE
    「-決戦-」ついに公開!
    公開初日の興収・動員ともに、前編「-運命-」を超え、No.1大ヒットスタート!』

    に掲載された
    「作品は完結となり、このメンバーで集まるのはラストとなる」
    の一文を見た時に、あぁこれで本当に終わりなんだなぁ……と思いました。
     

    2. 俳優陣が豪華でスケジュールを押さえられないから

    実写映画『東京リベンジャーズ』『東京リベンジャーズ2』はご存知の通り、とても豪華なメンバー構成となっています。これだけ実力派&イケメンの若手俳優を取り揃えた映画は、他に見当たらないほど。

    ファンにとっては悲しみもあるかもしれませんが、キャスト達にとってはある意味嬉しい事実でもあるでしょう。

    2021年2月に実写映画の主要キャストを紹介記事に書く時、「これは誰?」と首を捻りながら調べたのが、とても懐かしく思えます。(もともと自分が芸能界に疎いせいもありますが……)

    もう「誰?」と思わせる俳優がいないのは、この2年で本作や他の出演によって有名になったということ。単純に嬉しいですし、自分の話ではないのに誇らしく感じられます。

    いつか誰かが原作に沿って「その先」を作ろうとするかもしれませんが、少なくとも今のメンバーでこれ以上制作することは不可能なことは、理解できるのではないでしょうか。

    3. 主題歌『儚くない』の曲調が明らかにエンディング風だから

    主題歌は、大きく分けると「アガる曲」と「しんみりとした曲」に別れます。アニメの主題歌でも、OP(オープニング)はテンションを上げ、ED(エンディング)はゆったりと聴かせる曲が多い傾向があります。

    『儚くない』はどこか懐かしさを感じさせ、しみじみと泣かせる曲。製作陣は明らかに終わらせに来ている……と感じました。

    後述しますが、歌詞が東リベ原作の最後の部分(完結した内容)とリンクする内容で、密かに感動してしまいました。

     

     

    本作のよかった点と、原因についての考察(ストーリー・映画全体)

    ここでは、映画の素晴らしい部分とその原因について考察します。

    【映画らしい仕上がり】

    漫画を実写化する時には、こういう工夫が必要になるもの。漫画の表現そのままでは浮いてしまう部分を、うまく現実に寄せていました。

    • ちょっとしたセリフ回しの変更
      タケミチの学校屋上での
      「死ぬて」
      や、マイキーの
      「ちょ、ごめん。ガキになっていい?」
      と手を合わせる演技は現代の若者らしい軽い感じで、リアル感が出ています。
    • 泣くシーン
      千冬の泣き方も漫画では大声でウォーンと叫ぶようでしたが、すすり泣くような高校男子らしいものに変更されていました。
    • 回想のリアルなエモさ
      場地の名言を茶化すマイキーの口笛など、「幼さ」も見せながら「原作よりは年を取ってる感じ」を両立させていて絶妙でした。

    【主役もそうではない人も存在感が強い】

    血ハロのメインの主役はタケミチ・マイキー・千冬・場地・一虎と言えるでしょう。中でも、以下の3人は輝きが際立っていました。

    • 場地のかっこよさ
      ガリ勉姿も回想場面も非常に良くて、心の底から「場地さんだなぁ……」と感じました。
    • マイキーの強い面と弱い面
      身体の強さと心の弱さ、両方がしっかり描かれていました。
      でも、愛する兄が親しい仲間に殺されたらメンタルを病んで当然ですよね。「マイキーも普通の高校生男子なんだ」と、当たり前の事実を突きつけられたようでした。
    • 千冬のかわいらしさ
      パーカー姿が非常に可愛く、実際には役者・高杉 真宙なのですが漫画キャラそのもののように思えます。和久井先生も
      『「東リベ」の中のメンズ唯一の癒しを本当にまんまに演じ切ってくれました』(-決戦-のパンフレットより)
      と話していました。 

    その他の人たち(三ツ谷、ドラケン、半間、灰谷兄弟、ガリマン、阪泉、名前の出ないメンバー)も1人1人がしっかり存在感を発揮しており、皆がいるからこそ映える映画になっていたと思います。

    【映画三部作を良い作品にした3つの要因とは?】

    ここまで作品を良くしたのは、3つの原因があると推測します。

    • 俳優・監督・スタッフたちの相互作用
      若くて実力があって真面目な俳優たちが選ばれ、真摯に演じてくれたことがもちろん1番の要因でしょう。

      ただ俳優陣から「一体感のある現場だった」とよく聞くので、現場の雰囲気のおかげもあるかもしれません。目には見えませんが、映画も結局は人間同士の関わり合い。空気感やコミュニケーションなどが大いに影響すると思われます。同年代の俳優同士の交流も多かったため、心から信頼し合って相乗効果が生まれたのでしょう。

      また、原作者の和久井健先生の寛容さ・心の広さも関係しているのではないでしょうか。原作者がNOと言えば実際できないことも多いので、作者の鑑とも言えます。
    • 『東リベ』という作品そのもののチカラ、血ハロと場地の魅力
      よく考えると、東リベのストーリーや語られている内容はすごい力を持っています。

      特に"血ハロ"(血のハロウィン)は1番人気のエピソード。原作完結直前の人気投票でとうの昔に亡くなった場地が3位になったことからも、"血ハロ"や場地が大好きなファンが多いと分かります。

      場地は本当の意味で、自分の利害を考えず他人のために命を張った人間。(タケミチも似ていますが、未来を見ているので少々違います)

      先が全く分からない中で、優先順位の1番に自分ではなく仲間を持ってこれる"いい奴"。そして1番に持ってきてしまった純粋さが、哀しくもあります。

      色々経験した大人なら、場地が刺された時に
      「可能性は低いかもしれないが、止血などをすれば命は助かるかも」
      などと考えてしまいますが、場地は
      「ここで自分が一虎の傷が原因で死んでしまったら、永遠にマイキー・一虎を救えない」
      という思いしか頭になかったのでしょう。

      千冬に守られてやらないで勝手に死ぬことについては、
      ごめんねのようなありがとう(SUPER BEAVER"グラデーション"より)」
      だったのかもしれません。
    • 主題歌 『儚くない』の素晴らしい歌詞
      SUPER BEAVER 『儚くない』の歌詞「生きてこそって 生きていてって」には、3つの意味合いが感じられました。

      1つ目は、千冬から場地に対する「何があっても自分の命の優先順位を第1にしてほしい」という強い想い。

      2つ目は、タケミチのヒナへの想い
      「最初の世界戦では別れていても死んでるんだけど?」
      「違う人との未来を望むのか、それとも別れても守り続けるという意味?」
      「理由も言わずに一方的な別れを告げられたら、誰でも困るよね……」
      と色々考えてしまいましたが、あれがタクミっち(北村 匠海が演じるタケミチ)の答えなのでしょう。この地点で完結にするには必要な演出かもしれません。

      3つ目は東リベ全体の感想のような、まとめの雰囲気。命は残念ながら儚い、だからこその反語としての「儚くない」です。

      「しぶとく楽しく今を生きよう、できたら皆で長生きしよう、昔を振り返ったりしながら」という強いメッセージに思えました。大人や中年になればなるほどそう思うのかもしれません。ある意味純粋さを失うことですが、どんな状態も「命あってのもの」ですから。

      更に、東リベ原作完結を肯定する言葉にも思えました。最後の結末には、ご都合主義を感じる人もいたかもしれません。とは言えやっぱり皆に生きていてほしいので、ファンとしては感慨深い終わり方でした。


     

    原作ファンによる実写映画の感想

    今だから言えるのですが、実は漫画の実写化がめちゃくちゃ苦手。「2次元が至高なのに、なぜ3次元に落とし込まないといけないの?」と思ってしまうこともあるほどです。

    でもこの作品は非常に良くて「"メディアミックス"ならぬ"メディアマジック"、いや"メディアイリュージョン"のレベルでは……?」などと考えてしまいました。

    2021年2月に東リベを知ってから今まで、全力で作品を愛してきました。世間的な流行のアップダウンも多少はありますが、東リベは単なる一過性の流行りものではなく骨太の作品、まさしく「本物」だと思います。

    感想としては「皆にただ"ありがとう"と言いたい」に尽きます。関係者の皆が幸せになってほしいと、初めて心から思えました。リアルタイムで見られた喜びなど、今ここにある幸せを噛みしめたいです。



    ここまで、映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』の考察・感想を書いてきました。

    最後は主題歌『儚くない』の「今からどう生きるって問い続けたいよ」という歌詞で締めようと思います。人生はいつでもここから!と思いながら、精一杯生きていきましょう。

    長文をお読みいただき、ありがとうございました!
     

    ライター:カルコレ通信編集部 sugamari

     

    ※ 数字は特別な表記がない限り、2023年8月28日現在のものです

    引用・参照元
    ・原作コミックス『東京卍リベンジャーズ』6~8巻
    ・映画『-運命-』『-決戦-』公式パンフレット
    映画『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』公式サイト
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