2022年3月04日

『東京リベンジャーズ』佐野真一郎のプロフィール｜マイキーの兄で初代"黒龍"総長｜死因・アニメの声優・伏線などを徹底考察！（前編）

『東京リベンジャーズ』の佐野真一郎（さのしんいちろう）をご存知ですか？
“無敵のマイキー”の兄で初代“黒龍”（ブラックドラゴン）の総長でもあり、主人公・タケミチが似ているとされているキャラクター。実はこの真一郎、物語の根幹に関わる超重要人物でもあるのです。
そんな真一郎について、登場人物との関係性・物語の伏線などの観点から、前編・後編の2回に分けて徹底的に考察します！
（※注意！原作コミックス26巻まで・『東京卍リベンジャーズキャラクターブック天上天下』のネタバレを含みます）

皆のヒーロー・佐野真一郎のプロフィールと登場シーン

佐野真一郎（さのしんいちろう）のプロフィール

身長：　182cm（過去）
体重：　69kg
年齢：　23歳（2003年の死亡時点）
誕生日：　1980年8月1日
星座：　しし座
血液型：　O型
好きなもの：　コーラ
嫌いなもの：　努力
尊敬する人、憧れの先輩：　初代黒龍メンバー
夢：　イザナとマイキーとバイク屋
武勇伝（または失敗談）：　告白20連敗
お気に入りの場所：　S・S MOTERS

佐野真一郎は佐野家の長男。東京卍會（とうきょうまんじかい）総長の“マイキー”こと佐野万次郎（さのまんじろう）の兄です。

髪は黒で、瞳はマイキーと似た描かれ方をしています。身長は182cmで、作中では長身の部類。黒の短髪・長身という以外はマイキーに似た風貌なので、一般的にはイケメンと呼べる見た目です。それなのになぜか女性にはモテない設定なのが謎とも言えます。

反面、男には非常に人気があり初代黒龍（ブラックドラゴン）の総長を務めるほど。
初代黒龍のメンバーは真一郎の他に明司武臣（あかしたけおみ）、ベンケイ、ワカの3人がいました。

無類のバイク好きで、母屋と別の倉庫（現在はマイキーの部屋）でよくバイクをいじっていたと言います。趣味が高じて“S・S MOTERS”というバイク屋を開くまでになり、店はいつしかイヌピーのような不良の集う場にもなりました。

佐野真一郎の登場シーン

タケミチが初めてタイムリープした先の2005年時点で、既に真一郎は亡くなっています。そのため物語に描かれている真一郎は全て回想シーンのものであり、リアルに動いて喋る場面は出てきません。

真一郎の話題が初めて登場したのは意外にも早く、1巻第5話「Revolve」でした。
「オレ 10コ上の兄貴がいてさ死んじまったんだけどネ無鉄砲な人でさ自分より全っ然強ぇ奴にも平気で喧嘩挑んじゃうのタケミっち兄貴に似てる」
と、マイキーは友達になったばかりのタケミチに打ち明けます。

「兄貴の世代はさこの辺りもすっげー数の暴走族がいてさ（～中略～）喧嘩ばっかしてでも自分のケツは自分で拭いてそんな奴らがなんでダセーんだ？だからオレが不良の時代を創ってやる」
と河原で話す姿が印象的でした。

顔や姿が明らかになったのは8巻44話「Screw up」。
芭流覇羅（バルハラ）に入ろうとする場地が、2年前に一虎と起こした事件を語りました。ざっくり言うと
「一虎と場地が、マイキーの誕生日プレゼントにするバイクを盗もうと入った店が真一郎のバイク屋で、運悪く真一郎に見つかり、面識のなかった一虎が鈍器で殴ったところ死亡した」
という話。一虎は事件後少年院に入ることになり、抗争“血のハロウィン”が起こるきっかけにもなっています。

「かっけぇ人だったな真一郎君」
と墓参りしながら話すなど、ドラケンも慕っていた様子。

マイキーは“血のハロウィン”前に
「もう戻れねぇのかな…？兄貴ならどうすんだろ…？」
と形見であるバブ（HONDAのCB250Tというバイク）を見ながら呟いており、死後も兄の影響が強いことが分かります。

「当たり前のようにいた兄貴がいないそれがどういう事なのか理解できなくなるそういう時はいつも頭が真っ白になって右も左も上も下もわかんなくなっちまう何が正しくて何が間違ってんのか」
と言うほど、マイキーにとって親代わりだった真一郎の存在は大きく、心の支えだったのでしょう。

“聖夜決戦”の後、マイキーはタケミチにバイクをプレゼントします。
真一郎が昔フィリピンで拾ってきた2つエンジンのうち1つは真一郎が部品を集めて蘇らせたマイキーの愛機、もう1つがマイキーとドラケンで完成させたタケミチのバブで、“双子”なのだそう。

「運命感じたんだってさこのエンジン見つけた時むせ込んじまいそうな灰色の空の下でさ天井ぶっ壊れた廃墟に大量のスクラップその中にコイツらが埋もれてたって “オレを呼んでた”って兄貴が言ってたいつかその場所に行ってみてぇな」
とマイキーは語ります。

その後タケミチがタイムリープした未来でマイキーは闇堕ち。行ってみたいと話した「その場所」で、タケミチの腕に抱かれながら死んでいくのでした。

またタケミチは同じ世界線で、黒龍十代目総長だった柴大寿（しばたいじゅ）から、初代黒龍総長が真一郎だったという話を聞きます。

14巻第123話「You’re not my type」では、エマの回想に真一郎が登場しました。幼少期の場地は道場に来た真一郎に声をかけられて
「真一郎君‼」
と目を輝かせており、場地にとっても真一郎が憧れの存在だったと分かります。

“天竺”が攻めてきた頃、強いムーチョに対して絶対に退かない姿勢を見せたタケミチに真一郎の姿を重ねたイヌピーは、真一郎への尊敬の念を明かします。

イヌピーは真一郎の店に強い思い入れを持ち、廃墟になったバイク屋跡地をアジトにしていました。
「その辺にキラッキラにかっけーバイクがずらーって並んでてさ真一郎君はいっつも奥のあそこでバイクいじってて訪ねてくる先輩たちもみんなメッチャギラついててかっこよくてさでもそんな人たちもみんな真一郎君の前では礼儀正しくて オレのヒーローだった」

「なんかいいだろ？大人になっても昔やったバカな事笑いあえる仲間 ………そんなチームに憧れた だから黒龍に入ったんだ」
「真一郎君の創った初代黒龍を再興させたい」
イヌピーは黒龍復興に人生を捧げている印象を受けますが、当時それだけ感銘を受けたのでしょう。22巻の未来でドラケンと共に立ち上げたバイク屋“D&D”も、真一郎の店の場所を利用しています。

“天竺”についてタケミチ達が探っていた際、総長・黒川イザナがエマの兄と判明し、マイキー・真一郎とも異母兄弟と分かります。真一郎の遺品にはイザナからのハガキの束があり、2人の交流の跡が見えました。

「施設で過ごした10年…訪ねてきたのは佐野真一郎だけだった空っぽのオレを埋めたのはあの人の愛だけだ」
「オレのキョーミはね佐野真一郎の愛したモノ全て」
とイザナは真一郎に重すぎる感情を抱いており、マイキーへの嫉妬・復讐心から“関東事変”を引き起こしてしまいます。

イザナは“関東事変”で鶴蝶（カクチョー）をかばって死亡しましたが、死の間際に自分と佐野家との血のつながりがないことを明かしました。

最終章では、黒龍の副総長だった明司武臣（あかしたけおみ）が登場します。雨を見て
「……雨か… よく“真”に言われた “お前は日本一の雨男だ”ってよ」
というセリフを口にするほど、未だに真一郎の存在が頭から離れていないよう様子。

関東を二分するチームのトップだったワカとベンケイも真一郎の人間性に惹かれて初代黒龍を結成し、強大な力を持った初代“黒龍”は天下統一を果たしました。

以上、真一郎の登場シーンを簡単に振り返ってみました。
真一郎はまさに皆の憧れであり、とても人好きのするキャラクター。現在はタケミチが「ヒーロー」のような立ち位置ですが、真一郎は「タケミチより前に登場していた皆のヒーロー」だったと分かるのではないでしょうか。

アニメ声優は松風雅也（まつかぜまさや）｜実写映画・舞台に出番は？

アニメで佐野真一郎の声を担当したのは、ベテラン声優・松風雅也（まつかぜまさや）です。

声優・松風雅也のプロフィール
誕生日：　9月9日
出身地：　福島県
資格・免許：　大型二輪・小型船舶　他20種類以上
趣味：　日曜大工、家電製品、銀細工、（スポーツ）自転車
特技：　ギター、スノーボード、スキューバダイビング、剣道、呉氏開門八極拳（中国拳法）

主な出演歴
・『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』ガエリオ・ボードウィン
・『進撃の巨人 The Final Season』コルト・グライス
・『新幹線変形ロボシンカリオンＺ』ヴァルトム
・『戦国無双』藤堂高虎
・『HUNTER×HUNTER』イルミ＝ゾルディック

声優としての活躍だけでなく舞台・映画・CD・ラジオ・ゲーム・TVなど活動は多岐に渡っており、Twitterのフォロワー数も5.3万人と高い人気が伺われます。

アニメで登場したのは場地の事件シーンだけなので、セリフはほんの少し。それでもマイキーに似た声が印象的で、ファンからは「かっこいい」という声が多く聞かれました。

「なぜこれでモテない？絶対カッコいいはずなのにモテないのはおかしい…まさかそれも伏線？」
と考えてしまうほど、未だ謎に包まれたキャラクターです。

真一郎は、実写映画『東京リベンジャーズ』と舞台『東京リベンジャーズ』には登場しませんでした。
2022年3月上演予定の『東京リベンジャーズ ―血のハロウィン編―』においても、現時点ではキャストの発表はありません。

今後映画や舞台に登場する際には、背が高い二枚目俳優が演じるのではないかと思われます。誰が担当するのかも含めて、楽しみに待ちたいですね。

死因は何？ “血のハロウィン"の元となった一虎・場地の悲しい事件

真一郎が亡くなったのは、2003年に一虎と場地が起こした事件が原因です。

「バブにしか乗りたくねぇ」
と、マイキーがずっと“ホーク丸”という原チャ（HONDAのDio）に乗り続けていたことが背景にあります。そのせいで東卍メンバーのツーリングの最中にヤンキーに絡まれ、喧嘩も起こっていました。

マイキーの誕生日を目前に控えた8月13日、一虎は場地に
「もうすぐマイキーの誕生日じゃん？オレらでプレゼントすんだよ！CB250T（バブ）」
と、バイク屋からバブを盗もうと持ち掛けます。

盗みは良くないと場地は何度も反対するものの一虎は聞かず、結局2人は盗みに入ってしまいます。しかし、そのバイク屋は偶然にも真一郎の店だったのです。
盗みを阻止しようとした真一郎は場地に気づいて会話しますが、面識のない一虎はワイヤーカッターで真一郎の頭を殴打します。打ちどころが悪く真一郎は死亡。

この事件は事故とも言えるほど、偶然が重なって起きた悲しい出来事です。大きく分けると、以下の5つの要因が重なったと考えられます。

① マイキーを崇拝する一虎の願い
一虎は無敵の強さを持つマイキーを崇拝しているふしがあり、「マイキーの誕生日に自分が特別な物をプレゼントしてあげたい」という願望がありました。

盗みはれっきとした犯罪行為ですが、この時の一虎に強い悪意があった訳ではありません。強すぎる尊敬の気持ちから見返りの愛を求め、罪を犯してでもプレゼントを手に入れたくなってしまったのでしょう。一虎は親から愛情を受けられなかったせいもあり、友情を示す方法がよく分からなかったのかもしれません。

② 一虎を止められなかった場地
場地は結局一虎を止められませんでした。一虎への同情心があって付き合ってしまったのか、「バブに乗るマイキーを見たい」という気持ちが抑えられなかったのか、理由は定かではありません。残念ながら上手に説得もできず、優しすぎるため見放すこともできなかったのでしょう。

場地がもっと頭を働かせていれば「もしかしたら真一郎の店かも」と気づいたかもしれません。

③ 自分で解決しようと出てきた真一郎
真一郎は正義感が強いせいか、「ただ通報して待つ」という行動が取れませんでした。もしかすると自ら通報していたかもしれませんが、警察の到着を待つことなく自分で窃盗犯に立ち向かってしまったのです。

④ 見つかって暴力に走った一虎
店の人間に見られたことで、一虎は「見られてしまったなら倒すしかない」と思ってしまったのでしょう。父親によるDV行為に慣れていて、余計に「暴力によって言うことを聞かせる」ことに抵抗がなかった可能性もあります。焦りと恐れから、衝動的に浅はかな行動に走ってしまいました。

⑤ 打ちどころが悪く死亡
殴り方によっては、死亡は免れたかもしれません。一虎の喧嘩の強さも悪い方に働いたのか、打ちどころが悪く真一郎は即死してしまったのです。

正義と悪とが明確に分離されている訳ではなく、「ただ悪いだけ」の人間は存在しないのがポイントです。
「マイキーの幸せを願った行動がマイキーの不幸に繋がる」という最悪の結果になってしまったことが、残念でなりません。叶わなかった望みが悔しく、プログラムのバグか構造上の欠陥のように思えてしまいます。

切なさがウリの『東京リベンジャーズ』ですが、この事件は何度思い返しても悲しすぎます。物語が進むほど真一郎の存在を大きく感じられるので、余計に悔やまれる出来事です。

以上、『東京リベンジャーズ』の佐野真一郎について解説しました。
真一郎には魅力が満載で、これまでの紹介はまだほんの序の口。
後編でもたっぷり考察していきます。お楽しみに！

ライター：カルコレ編集部 sugamari

（引用元・参考資料）
・原作漫画『東京卍リベンジャーズ』1～26巻
・『東京卍リベンジャーズキャラクターブック天上天下』
・東京卍リベンジャーズ【公式】 (@toman_official) · Twitter
・TVアニメ『東京リベンジャーズ』公式サイト
・映画『東京リベンジャーズ』公式サイト - Warner Bros
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